妻の実家の庭で、松の剪定をしていた時のことだ。剪定と言ってもユーチューブを参考に、見よう見まねでやっていただけだが。
練習を兼ねて、脚立がいらない低い場所から順に進めていく。この辺りは庭の外から見えにくいので、失敗はここで止めたい。
そして、三脚脚立を用いて上の方へと作業を移動していく。
あっ、この三脚脚立というのは、造園業では必須の脚立である。
理由は、一本脚が混みいった木の間にうまく収まるからだ。
中段を過ぎて、いよいよ上段へ。脚立のほぼ最上段に足を置いているので慎重に剪定作業をこなしていく。その時「おや、枝に葉っぱが?」
よく見ると、葉っぱではなくカエルだった。この姿はおそらく二ホンアマガエルだ。こちらをじっと見ている(ように見えた)。
ずっと枝をゆさゆさと動かしていたのに、今も剪定鋏を目の前で持っているのに、この小さなカエルは少しも動かないでじっとしている。むむむ・・・。こいつはただ者ではないと見た。この程度ではうろたえないのか。不動心というやつだ。私は少々剣道をかじっているが、この不動心というのはとても大切だ。しかし、なかなかその境地には至らない。それをこの小さなカエルが・・・。
その後、一度下に降りて脚立の位置を変えてもう一度上に上がる。が、もうカエルの姿はそこになかった。「???」不思議なやつだ。と同時に、本当にいたのか?とも思う。
このことを後で妻に話すと、「それは(亡くなった)お母さんや」と一言(怪談ではないですよ、念の為)。生前、松の剪定は義母がよくしていた。ひょっとすると、慣れない私の剪定作業を「まだまだやな、頑張りや」と言いにきたのではないかと思った。いや、きっとそうだ。有難うございます。精進して頑張ります。天に向かい誓うのだった。