■東光寺(とうこうじ)


 奈良時代に行基菩薩が開基した真言宗か天台宗のお寺で,昔より「大井の乳薬師」と言われ、行基作と言われる薬師如来を安置しています。東光寺という名称は江戸時代初期に改められたそうで、現在は阿弥陀如来を本尊とする浄土宗のお寺です。

 源頼光が大江山の鬼退治に向かう途中、戦勝祈願をしたといわれています。

 

 木喰仏は14体残されています。薬師堂に13体あり、木喰上人自刻像と十王座像群(閻魔大王他)「葬頭河婆座像」(そうずかばばざぞう)「白鬼立像」(びゃっきりゅうぞう)があり、地獄の様子をあらわしています。

 もう1体は生木に彫られた「立木子安観音」です。木喰上人が一夜にして樫の巨木に彫りつけたといわれています。明治時代に落雷に遭って立ち枯れてしまいましたので、今はお堂の中で祀られています。

 


              ・十王坐像群

 葬頭河婆坐像     自刻像          白鬼立像

 葬頭河婆

(そうずかのばば)

別名奪衣婆(だつえば)ともいい、三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る恐ろしい老婆。

     白鬼(びゃっき)

刑の執行者としての恐ろしい姿はなく、ねじれたこん棒に虎の皮の褌をはいた、どこかユーモアな像です。


※上記の写真3点は、「猪名川の木喰仏」(発行:猪名川町教育委員会)より抜粋させて頂きました。


立木に彫られた子安観音


東光寺の鐘は、多田八景」の一つ「大井の晩鐘」として知られています。

 

 「里人は 子もりがらすの 入相の 鐘を合図に 追々と入る」

 

鐘の音と共に農作業を終えた村人は家路をたどり、カラスはねぐらに向かう、そんな光景が目に浮かぶようです。


東光寺

阪急バス・ふれあいバス:「大井」下車 北へ徒歩2分

文化財見学時要予約(境内見学は自由) 拝観料:300円

※お寺の方が在宅されている時は予約なしでも見学できるとのことです。

猪名川町北田原字寺ノ前452

TEL:072-766-0831