コロナを忘れる一時〜栃原めぐみの森


 4月11日(土)薄曇りの中,『栃原めぐみの森』へ出かけた。

世間は今、新型コロナウイルスの猛威で急速に閉ざされつつある。今週、政府から7都府県に緊急事態宣言が出され、世の中の動きが止まった。人々のマインドは出口のない状況の中、暗い深淵に舞い落ちていく日々を過ごしている。

 

 外出する人は日を追って減少し、この日は休日にもかかわらず普段より車も随分と少なかった。

そんな中、このところの運動不足を解消すべく、オープンカー(自転車とも言うが)にまたがり、『栃原めぐみの森』へやって来た。

 

 ここは山歩きを楽しむにはイチオシの場所だ(※詳しくは「散策・自然・景勝地」の「栃原めぐみの森」をご覧ください)。

 

 いつものように「健脚コース」を登り始める(と言いたいところだが、目下の体力を顧みると自信がなく、実はかなり迷った)。その不安は当たった。普段なら途中で立ち止まることはほとんどないのだが、数mメートルごとに息を整え進むことの繰り返しとなった。

 

 山はコバノミツバツツジのビンクばかりが目立ったが、白い花を付けた木もちらほら。木がねじれていたのでネジキかと思ったが,アセビかも知れない。アセビも成長すると木がねじれるのだ。

 

 途中、「峰池」で一休みする。ベンチに腰掛け,しばらく野鳥のさえずりをBGMに、一人の贅沢な時間を過ごす。その後、本来は池に沿ってそのまま進むのだが、何を思ったか、今来た道をさらに先へ進んでしまった。道に迷ったことに気付いたのは、周囲の風景に以前の台風の傷跡が多く現れてきたからだった。その時,道の少し下のシダが密生している辺りで、何かが動く気配があった。人かなと思ったが、そこには道などないはずだ。先程から猪が掘り返したとおぼしき跡が目についていた。「・・・・」早く引き返そう。そう思った時、今度は泥色の水たまりが見えた。これはぬた場だ。夜になるとこの辺りはイノシシのたまり場となるのだろうか?

 

 上の写真がぬた場とおぼし水溜まり。近くにはどこにも水場がない。

 

 最高地点へ続く道ではついに足がつりそうになったが、下りはスムーズに歩け,「森の玄関」を経て帰路についた。

 

 山を歩いていると、世の中がコロナで大変なことになっていることに不思議な感覚を覚える。もちろんここではマスクなど不要だ。ほとんど誰にも会わないし、新鮮な空気で満たされている。もし、こんな所にも出かけられない状況になれば世も終わりだろう。

 

 一刻も早い惨禍の終息を切に祈っている。